今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説（朝ドラ）「あんぱん」に、妻夫木聡さんが出演することが先日、発表された。同局の大河ドラマ「天地人」（2009年）の主演俳優としても知られる妻夫木さんだが、意外なことに朝ドラは「あんぱん」が初となる。さらに3人組バンド「Mrs. GREEN APPLE」の大森元貴さんが、「あんぱん」で朝ドラに初出演することも明らかに。ここでは、3月31日の放送開始に向けて徐々に盛り上がりをみせる同作で、朝ドラデビューを果たす注目キャストを紹介したい。

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次期朝ドラ「あんぱん」　やなせたかしさん夫婦がモデルの「愛と勇気の物語」

　◇注目の“初出演組”の顔ぶれ　二宮和也も朝ドラデビューへ

　「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん（1919年～2013年）と、小松暢さん（1918年～1993年）夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

　脚本は、「ドクターX～外科医・大門未知子～」（テレビ朝日系）シリーズなどで知られる中園ミホさんが手掛ける。語りをNHKの林田理沙アナウンサーが務め、音楽を作曲家でミュージシャンの井筒昭雄さんが担当。主題歌には、ロックバンド「RADWIMPS」の新曲「賜物（たまもの）」が決定している。

　今作で朝ドラ初出演を果たす面々には、まずは、やなせさんがモデルの柳井嵩役に抜てきされた北村匠海さんがいる。さらには加瀬亮さん、河合優実さん、原菜乃華さん、細田佳央太さん、二宮和也さん、中沢元紀さん、瞳水ひまりさん、竹野内豊さん、高橋文哉さん、志田彩良さん、ソニンさん、瀧内公美さんがいて、ここに前述の通り、妻夫木さん、大森さんが加わった形だ。

　この中でひときわ目を引くのは二宮さんの名前か。演じるのは、柳井嵩（北村さん）の“大好きな父”柳井清。清は、文学や絵に造詣が深いが、出版社を経て新聞社での海外赴任時代に病死と、既に他界しているところから物語は始まるようで、どれほどの出番があるかは未知数。それでも出演回は大きな盛り上がりを見せるのではないだろうか。

　◇河合優実＆原菜乃華はヒロイン妹役で

　すでに映像界で一時代を築いた加瀬さんや竹野内さん、その実力に疑いの余地はないソニンさんや瀧内さんの朝ドラデビューも楽しみといえば楽しみだが、あえて、未来の朝ドラヒロイン候補に限定すると、河合さん、原さん、志田さんあたりへの期待はおのずと高まってきそうだが、いかがだろう。

　昨年、大ヒットしたドラマ「不適切にもほどがある！（ふてほど）」（TBS系）以降、快進撃が続き、映画「あんのこと」の演技で、「第48回日本アカデミー賞」最優秀主演女優賞に輝いた河合さん。子役出身で、新海誠監督の劇場版アニメ「すずめの戸締まり」（2022年）、NHKの大河ドラマ「どうする家康」（2023年）、「実写【推しの子】」シリーズと話題作に起用されてきた原さん。共に、小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ（今田さん）の妹役での出演となる。

　河合さんがしっかり者の次女・蘭子（次女）、原さんが天真爛漫（らんまん）で、歌うことが好きな三女・メイコに扮（ふん）するが、制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーは「河合優実さんと原菜乃華さんはヒロインオーディションにもご参加いただき、圧倒的な芝居力と天真爛漫さで、次女と三女のキャラにピッタリだと感じオファーさせていただきました」と、その実力とキャラクターを踏まえての起用となったことを明かしている。

　過去には土屋太鳳さん、杉咲花さん、清原果耶さんが「朝ドラヒロインの妹」から「朝ドラヒロイン」へと駆け上がっていて、河合さん、または原さんが同じルートをたどる可能性は十分だ。

　◇着々と足場を固めてきた志田彩良

　一方の志田さんは、「あんぱん」でヒロイン・のぶの同級生で幼なじみの小川うさ子を演じる。うさ子は、のぶと一緒に通っていた女学校時代は、卒業までに良い相手を見つけて花嫁になることを夢見ていたが……という役どころだ。

　ドラマ「チア☆ダン」（TBS系、2018年）、実写「ゆるキャン△」シリーズ（テレビ東京系）、日曜劇場「ドラゴン桜」（TBS系、2021年）などを経て、NHKの「ドラマ10『大奥』」（2023年）のシーズン2「幕末編」では、14代将軍・徳川家茂役を務めた志田さん。

　昨年の1月期には「消せない『私』―復讐（ふくしゅう）の連鎖―」（日本テレビ）と「こんなところで裏切り飯」（中京テレビ）の2作の主演ドラマが放送されるなど、着々と足場を固めてきた中での朝ドラデビューは、その存在を広く知らしめる機会となるのではないだろうか。

　いずれにせよ、2週間後に迫ったドラマスタートを楽しみに待ちたいと思う。