コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿で紹介するのは、2024年10月25~27日に東京・池袋の東口エリアで開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス2024(池ハロ2024)」に参加していた、「鬼滅の刃」の堕姫に扮(ふん)するありあちゃんさんと、妓夫太郎に扮するつぼっちさん。
「鬼滅の刃」は「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」の第一章が7月18日に公開されるなど今年もさまざまな展開で盛り上がっている。それに伴い、コスプレ界隈でも同作のキャラクターに扮するレイヤーは増えつつあり、その中には複数名での“併せ”を楽しむグループの姿も。取材に協力してくれた二人は、妓夫太郎と堕姫の“兄妹併せ”でイベントに参加。ありあちゃんさんは堕姫の“目力の再現”に注力したという。
「今回のコスプレでいちばんこだわったのはメークです。『鬼滅の刃』のキャラクターは、みんな目力が強い印象がありますが、そのなかでも堕姫ちゃんは特に鋭い目をしてるので、目をできるだけ大きく見せるアイメークをしてみました。それと、堕姫ちゃんならではの華やかな雰囲気も表現したかったので、花魁風の派手なメークも練習しました」
つぼっちさんは、色味や質感にもこだわって小道具を制作したと話す。
「見ていただきたいのはズボンと腕輪の造形です。ズボンはインナーに生地を巻きつけて、手縫いで作成したものになります。試行錯誤をくり返し、シルエットが解釈一致するように時間をかけて制作しました。原作ではくすんだ色だったので、上から塗料スプレーを使い、汚し加工を施したのもこだわったポイントです。腕輪は高級感を出すために、蛇柄生地とレザーを使用して制作しました。中に針金を入れて、自由自在に形を変えられるように工夫しています」
妓夫太郎の特徴的な体型を再現するために、ダイエットにも取り組んだという。
「トレーニングと食事制限を行ない、もともと80キロだった体重を60キロまで落として。4カ月で20キロの減量をしたこともアピールしたいポイントです。推しのありあちゃんとの初併せということで、期待に応えるべく頑張りました!」
取材・文:ソムタム田井