アニメなどが人気の「ラブライブ!」シリーズの「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」の村野さやか役などで活躍する声優の野中ここなさんの初の写真集「野中ここな 1st写真集 うたかた」(KADOKAWA)が1月15日に発売された。19歳の野中さんがロケ地に選んだのは、自身の原点である出身地・長崎県。表現者として、そして一人の女性として、野中さんが写真集に込めた思いを聞いた。
◇気分は修学旅行
--地元・長崎でオールロケが行われました。
私の中では昔から「写真集=誰もが知る有名人や芸能人が出すもの」という固定概念があったんです。なので、お話を聞いた時は「自分が発売させていただくんだ!」という驚きが大きかったですし、同時にすごくうれしかったです。そんな大切な最初の一冊をどこで撮るか、ロケ地は本当に悩みました。でも、やっぱり自分の大好きな場所が一番自然体の自分を切り取っていただけそうだなって。いいものを作るためには、いい場所で、いい自分でありたい。そう考えた時に、私にとっては長崎がベストでした。
--撮影場所の中には、SNSでも話題になった“千綿駅”もあります。
千綿駅は、私もよく車で前を通っていました。レトロな駅舎に、美しい海や夕日の絶景……。最近は若者を中心にホットなスポットなんですよ。久しぶりに訪れて、懐かしく感じました。ちょっとした撮影秘話もあって、親に「今、千綿駅で撮影中だよ」とメッセージを送ったら、父が車を走らせて向かっていたみたいなんです。父が着いた頃には私はもうその場を離れていて会えなかったんですけど、それだけ娘の写真集を喜んでくれているんだなと思うとうれしくなりました。
--長崎滞在中、家族とは会えなかった?
いえ、帰りの長崎空港に、両親と妹と弟が見送りに来てくれました。ほんのちょっとでしたが、カフェで久しぶりに家族とおしゃべりする時間が作れてすごく楽しかったです。
--温泉旅館の風呂や浴衣のカットも印象的です。
旅館の部屋内にあるお風呂に入ったのですが、その木の香りが本当に心地よくて。ずっと入っていたいくらいでした。浴衣のカットでは、和室にお布団が敷いてあって、ちょっとした枕投げも楽しんで(笑)。気分は修学旅行でしたね。
--ほかにも、長崎のさまざまなスポットを巡っています。
眼鏡橋の近くで食べた長崎名物の皿うどんが、すごくおいしかったです。長崎といえばちゃんぽんが有名ですが、私はソースをちょこっとかけて食べる皿うどんが本当に好きで。ぜひ試してみてほしいです。グラバー園も長崎を代表する観光地の一つですが、私は実は今回が初めてでした。襟付きの白いワンピースを着ているカットはすべてグラバー園で撮影。あまり見ないデザインのお衣装で、ディテールまで凝っていてすごく可愛いんです。レトロな雰囲気の中、ちょっとお嬢様っぽい野中ここなが見られると思います(笑)。
◇20歳の誕生日を前に自分を見つめ直す
--タイトルの「うたかた」に込めた思いは?
自分の中で、10代という時間は「儚(はかな)い」とか「すぐに消えてしまう」というイメージが強かったんです。19歳は、大人にもなりきれないけど子供でもいたくないというちょっと難しい時期。そんな10代ラストの今の自分やその気持ちを表せる言葉を考えたときに、文字にするとしっかりとした存在感もある「うたかた」がいいなと思いました。ひらがなにしたのは、10代らしいポップさや親しみやすさを出したかったからです。この写真集には、儚い表情もあれば、力強いもの、砕けた笑顔も収められています。それらは全て、いい意味で「未完成」なんじゃないかなと思っています。
--野中さんにとって、10代とはどのような時間だった?
少しだけ、自分のことを好きになれた時間でした。私は4人きょうだいの長女ということもあって、つい人に気を遣ったり、「いい子でありたい」という思いが強くて。10代前半は割とクールな優等生に見られがちでしたが、いろいろな人に触れて、さまざまな人の感性や考え方を知るうちに、そんな自分も悪くないかもと思えるようになりました。以前は、人のいいところは見つけられるのに自分のいいところは見つけられなくて。悲観的になることもあったのですが、今回、写真集という機会をいただき、20歳の誕生日を前に改めて自分を見つめ直した時に、「いい意味でもっと気楽に、もっと自分を褒めてあげてもいいよね」と思えたんです。徐々にですが、空っぽだった自分が満たされていっている感覚があります。
--1月28日には、いよいよ20歳を迎えます。節目への思いを聞かせてください。
なんとなくですが、20歳になった途端、急に「大人として一人で解決しなきゃいけない」というプレッシャーが生まれる気がするんです。「もっと大人っぽく、子供じゃダメ!」みたいな(笑)。私もきっと頑張りすぎてしまうと思うんですけど、それは世界中の同世代のみんなも同じだと思うので。2026年は、“20歳組”のみんなで励まし合いながら頑張っていきたいです(笑)。これまでと変わらずにいたいのは「愛情の倍返し」ですね。「ありがとう」と言ってくれる人には、その倍で「ありがとう」を返したい。これまでもそういう気持ちでやってきましたが、20代になってもずっと忘れずにいたいと思います。
--最後にファンの方へメッセージをお願いします。
私は、個人のお仕事では「応援してくれる皆さん」ではなく、「私が応援している皆さん」と呼びかけることが多いんです。私がいつも皆さんを応援していますよ、という気持ちで。この写真集でも、「野中ここな」という存在を楽しんでくださる方に、たくさんのエールを届けたいと思っています。10代最後の今だからこそ出せるパワーやオーラ、言葉だけでは伝えられない思いも、写真ならきっと届くと信じています。皆さんが元気になったり、前向きになれる一冊になっていたらとてもうれしいです。表紙もいくつかのパターンがあるので、ぜひ、ご自身が求めている野中ここなに近い一冊を手にとっていただけたらと思います。そして「このロケ地のこのカットがよかった」など、お気に入りを教えてもらえるとうれしいです(笑)。
※クレジット
取材・文:川倉由起子▽撮影:熊木優▽ヘアメーク:田村直子▽スタイリング:笠原百合






