コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿では、世界最大規模のコスプレの祭典として知られる大型イベント「世界コスプレサミット2025(WCS、コスサミ)」に参加していた、「聖闘士星矢」の城戸沙織に扮(ふん)するかがみ。もちさん、「鬼滅の刃」甘露寺蜜璃に扮する星葉さん、「地獄先生ぬ~べ~」のゆきめに扮する南野カイリ(pon)さんを紹介する。
会場内の各所で行われていた写真撮影だけでなく、特設ステージでのコスプレパフォーマンスや街中で実施されるパレードなども好評で、今年も大盛り上がりとなった「コスサミ」。8月1~3日の3日間で約24万7000人ものコスプレファンが集結していたが、その中でも特に印象的だったのが、テレビアニメ化もされた「週刊少年ジャンプ」掲載作品のキャラクターに扮したコスプレーヤーたち。
かがみ。もちさんは城戸沙織のコスプレをするにあたり、アニメ風ではなく、シンプルなメークに留めることを心がけたという。
「“女神アテナの化身”のキャラクターなので、いかにして女神らしさを表現するか!?……という点にこだわって。メークや衣装の造形では美しさを意識しつつ、極力シンプルに仕上げることに注力しました」
甘露寺蜜璃に扮する星葉さんは、ボリュームの再現にこだわった三つ編みに注目してほしいと話す。
「髪型が特徴的なキャラクターなので、三つ編みの造形にこだわりました。ボリュームを出すために毛量を増やしたり、三つ編みそのものが大きく見えるように幅を広げる加工をしたり。今の自分にできる最大限の技術を駆使して制作に当たりました。それと衣装は、少しでも蜜璃ちゃんのスタイルを再現できるように、メリハリをつける形で調整したものになります。私の身長は蜜璃ちゃんとほぼ同じなので、リアルな等身で彼女を再現できれば……という思いでがんばらせていただきました。そうした意気込みも感じ取ってもらえるとうれしいです」
南野カイリ(pon)さんは、ゆきめのコスプレには一度挑戦したことがあるそうで、今回はクオリティーをさらに高めたうえでの再挑戦だという。
「こちらのウイッグは、友人のshotacさんという美容師さんに制作をお願いしたものになります。1年前の『冬コミ』でも同じキャラのコスプレをして、そのときは自分でウイッグをカットしたのですが、仕上がりがいまいちだったのが心残りで……。ショートヘアは誤魔化しが効かないし、子どものころから大好きなキャラのコスプレでもあるので、今回は腕の確かな方に相談して、協力していただいた次第です」
取材・文:ソムタム田井




