コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿では、12月30、31日に東京ビッグサイトで開催される世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット107(コミケ)」に先立ち、同年8月に行われた「コミックマーケット106」に参加していた、VTuberの宝鐘マリンに扮(ふん)する有村ユキさん、「勝利の女神:NIKKE」のサクラに扮するかがみ。もちさん、「魔法少女にあこがれて」のレオパルトに扮する眠眠さんを紹介する。
8月16、17日の2日間で約25万人が来場するなど大盛り上がりとなった「コミケ106」は、屋外に設けられたコスプレエリアも盛況で、こちらにも大勢のコスプレファンが集結。その中でも印象的だったのが、暑さ対策も兼ねて“水着バージョン”コスプレで参加していたコスプレーヤーたち。
グラビアアイドルとしても活動する有村ユキさんは、自身のスタイルを活かす形で水着コスプレに挑戦したが、体型の管理に加え、ウイッグの造形にもこだわったという。
「こちらのコスプレで一番こだわったのはウイッグの造形です。ツインテールはパーツを付け足すのではなく、直接ウイッグを結って形を整えました。自然な感じに仕上がっているので、個人的にも気に入っています」
かがみ。もちさんは、自然な形で日焼け対策のための小道具を使える……という点も考慮して、サクラのコスプレをチョイスしたと話す。
「こちらのバージョンの衣装は傘もセットになるので、違和感なく日焼け対策ができるな……と思い、選ばせていただきました。他にもこだわったポイントはいくつかあって、サクラのクールかつ可愛い雰囲気を再現するために、表情の作り方を練習してきました」
「魔法少女にあこがれて(まほあこ)」のレオパルトに扮する眠眠さんは、サイズ感に加え色味にも徹底的にこだわり、自作で衣装を仕上げたという。
「この衣装は『まほあこ』のスペシャルイベント『まほあこSM大感謝祭』のキービジュアルで阿良川キウィちゃんが着用していたものです。体のラインがきれいに見えるように、ぴったりのサイズで型紙から制作しました。ニーハイなどは衣装に合う色のものが売っていなかったので自分で染めたり……と、布面積は少ないものの、なかなか手間がかかった一着です。当日は大勢の方から、『まほあこ』でこの衣装のコスプレは初めて見ました……と声をかけていただけて。がんばって作ってよかったなと思いました」
取材・文:ソムタム田井




